特集：『ハグシテ！どうぶつマンション』— ゆるふわピクセル動物たちとボロボロのマンションを再興する癒やしのマージパズル・アドベンチャー
1. イントロダクション：ゲームの基本情報とジャンル
『ハグシテ！どうぶつマンション』は、studio806が開発・配信を手掛けるスマートフォン向けゲームアプリです。そのジャンルは「マージパズル」を核としつつ、「その他パズルゲーム」、「アクションパズル」、そして「アドベンチャーゲーム」の要素も含む独特の作品です。
本作は、iPhone版およびAndroid版ともに2025年9月2日にリリースされました。価格は基本プレイ無料（アイテム課金有）となっており、誰でも手軽に始めることができます。
本ゲームの基本的な流れは、アイテムを合成してマンションをキレイにしていくマージパズルにあります。しかし、単なるパズルゲームに留まらず、シュールで可愛らしいドット絵の動物たちと触れ合いながら、建物を拡張し、物語を楽しめるパズルアドベンチャーとして独自の世界観を構築しています。
2. 謎に包まれた世界観とストーリー
プレイヤーは、謎の手紙を受け取り、「ハグシテマンション」へとやって来ます。このマンションは古びてボロボロの状態であり、過去に台風で壊れたこともあり、管理事務所も空っぽです。さらに、ゴミや汚れがひどく、棲んでいる住人さえも分からない状況にあります。
プレイヤーは、このボロボロになった「ハグシテマンション」を整備するために、新しい管理人またはオーナーとして、各部屋の掃除に追われることになります。
2-1. 整備と探索の物語
マンションの修復を進める中で、プレイヤーは簡単なマージパズルを解きながら、ボロボロのマンションをリフォームしていきます。ミッションをこなして部屋の掃除に励んでいくと、時折簡易的だがストーリーのようなものも合わせて楽しむことができます。
ストーリーの重要な要素として、プレイヤーはマンションのリフォームを進めながら、姿を消した動物「ハグシテ」の行方を探ることになります。この独特な世界観には、ハグシテとしか言わないモモンガ風の動物や、プレイヤーをサポートするオウムなど、クセのあるキャラクターが多数登場し、物語に彩りを加えています。これらのユニークなキャラやストーリーの展開が、本作の大きな魅力となっています。
3. ゲームシステム：マージパズルの詳細と「ハグ」の概念
『ハグシテ！どうぶつマンション』の核となるゲームシステムはマージパズルです。
3-1. アイテムの合成（ハグ）と納品
このゲームでは、同一の道具を重ね合わせること、すなわちマージによって道具をランクアップさせ、ミッションで要求されたアイテムを納品していくのが基本的な流れとなっています。
興味深い点として、公式ではアイテムの合成を「マージ」ではなく「ハグ」と呼ぶようです。この「ハグ」を通じてアイテムを組み合わせると、別のアイテムへと進化し、プレイヤーは必要な道具やDIY、掃除道具を作り出していきます。このシンプルで分かりやすいルールと操作性により、このジャンルをプレイしたことがあるユーザーはとっつき易く楽しめるでしょう。頭脳が試されるような複雑なパズルではなく、誰でもまったりと色々なモノを作れるほのぼのゲームです。
3-2. 整理整頓の衝動を刺激するワークフロー
マージパズル全般に言えることですが、ゲーム進行の流れが整理整頓のようなワークフローに近い特徴を持っています。同じパズルのジャンルとして見ると、少し地味に思えるかもしれませんが、その地味さとは裏腹に、整理の衝動が尽きることなく続くような魅力が備わっています。本作も例外ではなく、プレイヤーはつい時間を忘れてアイテムのハグ（マージ）に没頭し、気づけばスタミナを使い果たすほどの中毒性があります。
また、パズルパートでは序盤から複数の生産系アイテムが作れるため、フィールドのロック部分を解除しやすいという利点があります。
4. ゆるふわな動物たちと癒やしの管理人ライフ
本作の最大の魅力の一つは、登場する動物たちの個性と可愛さにあります。
4-1. 唯一無二のドット絵グラフィックス
『ハグシテ！どうぶつマンション』に登場する動物たちは、ドット絵グラフィックスで描かれており、これが個性として強く印象に残ります。絶妙に緩い動物たちのデザインは唯一無二であり、ちょっぴりシュールな本作の世界観を形成しています。これらのどこか独特で愛らしい動物住民たちと共に過ごすことが、癒し系パズルゲームとしての基盤となっています。
マンションの修復を進めていくと、かわいい動物たちに出会え、プレイヤーはハッピーな気持ちになれます。このゲームは、マンション修復ゲームにありがちな悲惨な広告で目立つような要素は一切なく、癒される動物パズルゲームとして構成されています。
4-2. マンションの拡張とデコレーション
ミッションのお題を達成することでボロボロのマンションを修復でき、一定数達成するとほのぼのストーリーを読むことができます。
物語が進むにつれて、最初は1階しかなかったマンションが高層マンションになっていくのも醍醐味の一つです。プレイヤーは各階層の住民たちと仲良くなることを楽しめます。
さらに、本作ではマンションや住民をオシャレにデコレーション（模様替え）することが可能です。マンション全体だけでなく、背景画像や石碑などの変更も行えます。デコレーション要素は課金要素だけでなく、コツコツとダイヤを貯めて購入したり、期間限定のイベントで入手できる施設も多いです。イベントでは、住民たち専用のアバターも交換可能で、これにより動物たちの可愛さにさらに磨きをかけることができます。
5. プレイ体験の快適さと課題点
『ハグシテ！どうぶつマンション』は、ユーザーフレンドリーな設計も評価されています。
5-1. 広告表示の少なさと課金システム
本作は、ゲームプレイ中にプレイヤーの没入感を削がないために、広告表示が必要最低限に抑えられている点が嬉しいポイントです。広告視聴によるメリットも用意されていますが、多くのタイトルで画面の上下に広告バナーが大きく表示されるケースが多い中で、本作の広告の少なさは相対的に目立ちます。
また、このゲームにはガチャシステムがありません。そのため、リセマラ（リセットマラソン）も不要なゲーム設計となっています。主な課金は、スタミナや模様替えに使えるダイヤの購入となっています。
5-2. スタミナとアイテム回復の課題
一方で、惜しいと感じられる点として、スタミナ制限が厳しめであること、そしてマージ用アイテムの回復時間（クールタイム）が全体的に長めであることが挙げられます。
最近のマージパズルでは、序盤のアイテムは数分で回復することが多い傾向がありますが、本作は全体的にクールタイムの時間が長く、序盤のアイテムでも数時間待ちとなる場合があります。スタミナが全回復するまで待ってから一気に遊ぶのが良い遊び方となりそうです。
また、アイテムの修復時間が遅いという点はパズルゲームとして気になりますが、スタミナ回復を待っている間に自然と回復するという側面もあります。一部のユーザーからは、個人的にはもう少しダイヤを入手できたら良いという意見もあります。
6. 総合評価と結論
『ハグシテ！どうぶつマンション』は、定番のマージパズルの内容を持ちながらも、どうぶつたちの可愛さとのんびり進めるマンション開拓によって、疲れた心をふんわり包み込んでくれる癒し系マージパズルゲームとして仕上がっています。
6-1. おすすめポイントと人による点
ここがおすすめ！
- 癒される動物パズルゲームである点。
- かわいさ抜群のマンション修復が楽しめる点。
- オシャレなカスタマイズ（デコレーション）ができる点。
- 広告表示が最低限で、没入感を削がない点。
人によるかもしれない点（留意事項）
- マージアイテムの回復速度が遅いと感じる場合がある点。
- 一部のアイテムを一定数生産すると、数時間の生産待ちが発生する点。
6-2. まとめ：ターゲット層
本作は、以下のようなユーザーに特におすすめできるタイトルです。
- パズルが好きな人。
- 動物が好きな人。
- 疲れた心を癒やしたい人、スローライフを楽しみたい人。
- ちょっとしたスキマ時間にまったり遊びたい人。
独特の世界観と、シュールでありながら愛らしいドット絵の動物たちが織りなすマンション修復アドベンチャー。その雰囲気の良さは、多くのパズルゲームの中でも際立っており、ぜひ一度体験してみてほしい作品です。
