「ステラソラ」徹底レビュー:旅と日常が交差するファンタジーRPGの魅力と評価
Yostarが贈る「旅と日常が交差するファンタジーRPG」
スマートフォン向けアプリ『ステラソラ』は、人気タイトルを数多く手掛けるYostar, Inc.が開発・運営する新作ファンタジーRPGです。本作は「旅と日常が交差するファンタジーRPG」というコピーが付けられており、壮大な物語、爽快なアクション、そしてキャラクターとの心温まる交流パートという、三拍子そろったバランスが特徴の作品です。
2025年10月20日に配信が開始された本作は、プレイヤーが記憶を失った「魔王」となり、個性豊かな少女たち「巡遊者」とともに、ノヴァ大陸に点在する巨大な塔「星ノ塔」へと挑む旅に出る物語です。この「塔を巡る旅」というシンプルながら壮大な構造が、ゲームプレイにおけるバトルと探索の軸となっています。
ゲームの核となる要素は、ド派手で爽快な3Dアクションバトル、挑戦の度に成長が蓄積されるローグライク構造の探索、そして戦いから離れた場所で癒しを提供するキャラクター交流&日常パート の融合です。アクション要素にはしっかりとした手応えがありながら、操作感が滑らかでテンポが良く、短時間でも爽快感を味わえる点が魅力として挙げられています。


第1章:幻想的な世界観と物語の導入
1-1. 舞台設定:「ノヴァ大陸」と「星ノ塔」の秘密
物語の舞台は、石造りの街並みや荒野などが存在するファンタジー世界「ノヴァ大陸」です。この大陸の各地には、謎の巨大な建築物「星ノ塔」が無数にそびえ立っています。塔に挑む人々は「巡遊者」と呼ばれ、内部に徘徊するモンスター「星骸」と戦いながら、不思議な力を持ったアイテム「神器(しんき)」の探索を目指します。
この神器は、現実世界の携帯電話やカメラといったハイテクな道具に似た見た目や性能を持っており、巡遊者が持ち帰ったことでノヴァ大陸の文明の発展に影響を与えてきたとされています。

1-2. 記憶喪失の「魔王」と「空白旅団」との出会い
プレイヤーの分身となる主人公は、星ノ塔の探索中に発見された祈願箱の中から目覚めた記憶喪失の人物です。主人公はとある理由から「魔王」を自称しており、その秘密が今後の物語の重要な鍵となると示唆されています。主人公の見た目は、ゲーム開始時に男性風・女性風を選択可能であり、いつでも変更できます。特に女性主人公は「美少女ゲームのヒロインの1人ではないかと思ってしまうほど」魅力的であるとの評価もあります。
主人公を発見したのは、巡遊者ギルド「空白旅団」に所属する3人の少女、アヤメ、コハク、セイナです。彼女たちとの出会いを経て、主人公はノヴァ大陸を巡る旅へと踏み出すことになります。
1-3. ストーリーとドラマ性
本作のストーリーは、メインだけでなく日常パートも用意されており、「旅の記憶を取り戻す」というドラマ性も含まれています。物語は基本的にドタバタなコメディ調で進行するものの、失われた主人公の記憶や各地でしのぎを削る勢力など、シリアスな設定も散りばめられており、今後の展開に期待が持たれています。キャラクターの掘り下げも良く、世界観がゴタゴタせずシンプルに楽しめるのが魅力です。
導入部分では、プレイヤーが記憶を失った魔王として目覚め、巡遊者たちと出会うプロローグから始まります。プロローグ内で塔の存在や巡遊者との関係性が丁寧に説明されており、プレイヤーは自然と世界観へ没入できるよう構成されています。
第2章:爽快アクションとローグライク構造の融合
2-1. 軽快でド派手な3Dアクションバトル
『ステラソラ』は、アクションRPGとしての側面が非常に強く打ち出されています。バトルはリアルタイム制の見下ろし型3Dアクションで展開され、プレイヤーは3人編成のチームでステージに挑みます。
編成は、プレイヤーが操作する1体の「主力」キャラクターと、NPC操作の2体の「支援」キャラクターで構成されます。キャラクターごとに近接攻撃、遠距離攻撃、スキル、回避行動が用意されており、回避を駆使しつつスキルのコンボを叩き込むことで爽快感を味わえます。操作性はもっさり感がなく、斬撃や広範囲の持続ダメージなどダイナミックな攻撃を楽しめるクオリティです。
アクションRPG初心者でも入りやすいよう、チュートリアルパートでは移動、攻撃、スキル、回避などの基本操作が丁寧にガイドされます。また、自動戦闘機能も搭載されており、この機能をONにすればスキルや必殺技も自動で発動するため、プレイヤーは移動と回避のみに専念してバトルを進めることも可能です。
一方で、戦闘面に関する評価の中には、攻撃が移動して範囲内のみ自動攻撃であるため、爽快感が少ないと感じる意見や、アクション要素が単調に感じられるという指摘もあります。また、近距離武器と遠距離武器の攻撃速度がほぼ同じでリロードもなく、遠距離武器が圧倒的に扱いやすいというレビュアーの所感も示されています。

2-2. 「星ノ塔探索」に組み込まれたローグライクシステム
本作のメインコンテンツは、階層型のステージ構造を持つ「星ノ塔探索」です。この探索には、いわゆる「ローグライク(ローグライト)」的な構造が組み合わされています。
プレイヤーは探索中、各階層ごとに異なる敵の配置やギミックに対応しながら、スキルの使いどころや回避のタイミングといったプレイヤー自身の操作技術が試されます。道中のステージをクリアするごとに、巡遊者のステータスやスキルなどを強化できる「素質」と呼ばれるカードがランダムに出現し、一つを選んで強化する「ステージ内ビルド」を行います。
このローグライク構造の最も特徴的な点は、挑戦を重ねることで「蓄積成長」に繋がる仕組みです。ステージをクリアすると、その挑戦で得た戦績や取得アイテムが「データ」「記録」として蓄積・保存されます。この記録を使用することで、巡遊者のレベルやスキルを強化する他のコンテンツに挑戦できます。
つまり、「星ノ塔を攻略して記録を作成 → 記録を使って巡遊者を恒久的に強化 → 強化した巡遊者で再び星ノ塔へ挑む」というサイクルが、本作のゲームの軸となっています。この素質選択では、通常攻撃特化、範囲攻撃強化など、強化の方向性に自由度を持たせることが可能であり、同じ巡遊者でも全く異なるアクションやエフェクトになり使い心地が変化するため、やり込みがいがあるシステムとなっています。
第3章:キャラクターと深める日常と育成要素
3-1. 豊富なキャラクター交流と「ココチャ」「フォトメモ」
『ステラソラ』は、バトルや探索といった「旅」の要素だけでなく、「日常パート」が強く打ち出されている点が大きな魅力です。物語を彩る巡遊者たちは非常に可愛らしく、淡いパステル調のキャラクターイラストに惹かれるという評価もあります。
拠点となる「拠楼(きょろう)」では、巡遊者たちとの会話や、メッセージアプリ形式のチャット機能「ココチャ」を通して交流が可能です。ココチャでは、巡遊者によってチャットとの向き合い方が異なり、個性あふれる反応が楽しめるのが面白い点です。条件を満たすと、ココチャを通じて巡遊者を「デート」に誘うこともできます。
この交流の鍵となるのが「信頼度」システムです。ギフトアイテムを贈ったり、パートナー任務を達成したりすることで信頼レベルを上げることができます。信頼度が一定以上になると、信頼ボーナスによるステータスアップに加え、巡遊者のプロフィールやボイスが公開されたり、専用ストーリーや特別な演出が解放されます。
特に、最後の巡遊者ストーリーまで読み進めると、巡遊者がモーションする特別な2Dアニメーション「フォトメモ」が解放されます。このフォトメモはホーム画面に設定することができ、いつでも巡遊者との思い出に浸ることが可能です。バトルで疲れた後に、キャラクターとの会話で癒されるテンポ感が「本当に絶妙」であると評価されています。

3-2. 育成システムと「ロスレコ」
キャラクター育成の基礎要素として、レベルやスキル、素質、心相(欠片を使った限界突破)といったシステムに加え、独特な要素である「ロスレコ」が導入されています。
ロスレコは、ゲーム内の印象的なシーンをカットしたアイテムで、一般的なRPGにおける装備と同様の感覚で、巡遊者のステータスをアップさせます。編成にはメイン3枚、サブ3枚の計6枚のロスレコを設定でき、メインのロスレコは星ノ塔で条件を満たすとさらなるパワーアップ効果「アシスト効果」を発動できます。また、ロスレコには1枚ごとにテーマとなるBGMが設定されており、入手したBGMをホーム画面に設定することも可能です。
さらに、巡遊者のレベルを上げると新規衣装が提供され、これは無課金プレイヤーでもアニメーション付きの新規イラストを拝むことができる仕組みです。
第4章:ゲームの快適性と課金要素の考察
4-1. 快適な日課システムとスタミナ管理
『ステラソラ』は、忙しいプレイヤーでも遊びやすいように、日課システムに配慮がなされています。
星ノ塔探索は、厳選コンテンツとしてスタミナ無しで遊ぶことができます。一方で、素材調達などの育成ステージは定番のスタミナシステムを採用していますが、星3クリアすることで掃討(スキップ)が行えるため、日課要素はサクサクと消化できます。
特筆すべきは、デイリークエストでもらえる「超高速塔頂チケット」です。これは、オート厳選ではなくボスを含むバトルの完全スキップを可能にするチケットであり、報酬はすべて手動で選択できる仕組みです。これにより、「結局手動プレイしないと使い物にならない」といった育成シミュレーションゲームにありがちな問題が避けられており、チケットを使っても育成で不利になることはありません。カジュアルなプレイヤーは日々のチケットで、ガッツリ遊びたい人は週末などにこだわる、という遊び方が可能です。

4-2. ガチャシステムとスタート報酬
ガチャは、キャラクターである「巡遊者」と装備である「ロスレコ」の2種類が用意されています。最高ランクはSSR(または星5)で、排出率は巡遊者、ロスレコともに2%です。天井は160回と設定されています。
リリース当初(10月下旬時点)のスタート報酬は拡充されており、SSRキャラ確定の引き直し可能な10連ガチャが1回提供されるほか、ピックアップガチャチケット30枚、恒常ガチャチケット20枚が配布されています。リセマラに少し手間はかかりますが(チュートリアルスキップ不可、1周10分程度)、カジュアルに遊びたい人は引き直しガチャで星5キャラクターを選んでそのまま始めるのが推奨されています。ただし、引き直しガチャで排出されるのは恒常キャラクターのみであり、限定キャラクターを狙う場合はリセマラを頑張る必要があります。
4-3. おすすめの課金要素
継続的にリソースを増やしたいプレイヤーに向けて、おすすめの課金アイテムとして「星巡り定期券」(650円)が挙げられています。この定期券を購入すると、即座に「星ノ結片×600」を受け取れる他、毎日「星ノ欠片×90」を獲得でき、合計で最大2,700個分の星ノ欠片(ガチャ通貨)が得られるため、非常に高いコストパフォーマンスを誇ります。
第5章:惜しい点と総合的な評価
5-1. プレイヤーが留意すべき惜しい点
本作の魅力が多岐にわたる一方で、いくつかの惜しい点も指摘されています。
【フルボイス仕様ではない】 ハイファンタジーな世界観と優しいキャラクターデザインが魅力であるにもかかわらず、チュートリアル以外のメインストーリーにはキャラクターボイスがありません(フルボイス仕様ではない)。これにより、ストーリーへの没入感が削がれると感じるプレイヤーもいるようです。ただし、豊富なキャラクターイラストと表情差分によって、世界観には入り込みやすいという意見もあります。
【序盤の権限レベルの制限】 序盤の権限レベル(プレイヤーレベル)が上げにくく、コンテンツの解放が停滞しがちであることが指摘されています。キャラクターのレベルや育成素材は足りていても、「権限レベルのせいで次のステージに行けない」という状況になりやすいとのことです。
【育成素材とガチャの厳しさ】 育成素材の配布が渋いという指摘や、最高ランク排出率が2%、天井が160回というガチャ設定が「渋め」であるという評価もあります。

5-2. 総合評価
『ステラソラ』は、「ファンタジーRPGの王道に“癒し”と“深み”を融合させた作品」として高く評価されています。
バトルにおいては、プレイヤーの操作が試される階層型の探索とローグライク的な成長の面白さがあり、爽快なアクションが楽しめます。また、戦いだけでは終わらない物語として、巡遊者たちとの交流と信頼度ストーリーが重要な役割を果たし、キャラクターへの愛着が自然と生まれる構造になっています。
アクション、ローグライク、そして日常の交流という三要素がバランス良く構成されており、可愛いキャラクターのデザインや、無料でも新規イラストを解放できるシステム、そして初心者にも優しい引き直しガチャの搭載 など、幅広いプレイヤー層に受け入れられるポテンシャルを秘めた作品です。
結論として、本作はYostarらしい美少女デザインと、こだわりのビルドが可能なローグライト要素、そして日常的な交流による深いキャラクター体験を求めるユーザーに最適なファンタジーRPGと言えるでしょう。
















