スマートフォンアプリ「バイオハザード サバイバルユニット」レビュー:終末世界で戦略と恐怖に挑むサバイバル戦略SLG
1. はじめに:「バイオハザード サバイバルユニット」とは?
『バイオハザード サバイバルユニット(BIOHAZARD Survival Unit)』は、カプコンの誇る人気ホラーアクションシリーズ「バイオハザード」の世界観をベースに、アニプレックス、JOYCITY、カプコンの三社が手掛けるスマートフォン向けゲームアプリです。本作は、従来のシリーズ作品のホラーアクションとは一線を画し、ジャンルをサバイバル戦略シミュレーション(戦略SLG/ストラテジーゲーム)として展開している点が大きな特徴です。
物語の舞台は、未知のウイルスの感染が瞬く間に広がり、都市が完全に崩壊した世界です。プレイヤーは、この過酷な終末世界において孤立した生存者たちのリーダーとなり、レオンやジルといった歴代の人気キャラクターたちと共に拠点を築き、生存圏の再建と勢力拡大を目指すことになります。
本作は、2025年11月18日(火)に配信が開始されました。このモバイル向け新規ゲームプロジェクトは、配信前から大きな注目を集めており、2025年7月11日(金)からスタートした事前登録の受付では、2025年8月8日(金)までに登録者数が100万人を突破したことが明らかになっています。これにより、ゲーム内で使える「照明弾(プレミアム)」×10など、全ての事前登録特典のプレゼントが決定しました。
ジャンルはストラテジーゲームであり、ゾンビの脅威に立ち向かうサバイバル要素を持ちながら、横画面でのプレイが基本となります。価格はiPhone、Androidともに基本プレイ無料(アイテム課金有)で提供されています。本作は、アクション要素が苦手なシリーズファンや、都市開発や資源管理を重視する戦略ゲームを好むプレイヤーの間で特に話題となっています。


2. ゲームシステムの核:崩壊した都市でのサバイバル戦略SLG
『バイオハザード サバイバルユニット』の核となるゲームシステムは、「バイオハザード」の世界観をベースとしたストラテジーです。プレイヤーは、荒廃した環境の中で、いかに効率的かつ戦略的に生存圏を築き上げるかという「決断」を常に迫られます。このシステムは「オープンワールドで資源集め→自らの拠点を強化!」というサイクルを繰り返す、いわゆる「城ゲー」と呼ばれるジャンルであり、コツコツと資源を集めて強くなっていくことを目標としています。

A. 拠点の再建とリソース管理の奥深さ
ゲームのコアとなるのは、プレイヤーの活動拠点である「本拠地」(邸宅)です。プレイヤーは、この本拠地での活動を通じて、シリーズに登場する人気キャラクターたちを集めながら、資源回収と開発を進めて、拠点の設備を拡充していきます。
具体的な目的は、感染者の脅威によって崩壊した都市を舞台に、生存者たちのリーダーとなって拠点を再建していくことです。荒れ果てた建物を修復し、発電所や倉庫、訓練施設などを建設・強化することで、強固な生存圏を築き上げることが求められます。
拠点運営においては、食料や資材といったリソースの確保が生命線であり、資源は常に不足しがちです。そのため、「どの施設を優先して強化するか」「限られた資源をどう配分するか」といった戦略的な判断がそのまま戦力や生存率に直結します。眺めているだけの箱庭ゲームではなく、常に決断を迫られる緊張感のあるサバイバル体験が味わえます。ボロボロだった拠点が徐々に要塞のように整っていく過程は、プレイヤーに大きな達成感を与えてくれる要素の一つです。
B. 緊張感あふれる防衛戦:感染者の襲撃イベント
本作の醍醐味の一つは、リソース管理に加えて、防衛戦略の奥深さです。拠点の機能が回復し始めると、定期的に「感染者の襲撃」イベントが発生し、プレイヤーは防衛戦の構築を強いられます。
襲撃が近づくと、画面上に「◯分後に襲撃」というカウントダウンが表示されます。プレイヤーは、この刻一刻と迫るタイムリミットの中で、防御施設のレベルアップや、壁やバリケードの強化、最適な位置への戦闘要員の配置を行わなければなりません。どこから敵が来るのか、どの防御線を厚くするべきか、リソースと時間を天秤にかけた判断が求められる点が、本作のギリギリの緊張感を生み出しています。
この緊迫感は、『バイオハザード』らしい恐怖とスリルを戦略ゲームとして見事に再現しており、襲撃を撃退できた時の安堵感と達成感は格別です。
C. 広がる戦略SLGのノウハウとオンライン要素
本作の開発元の一つであるJOYCITYは、これまで『パイレーツ・オブ・カリビアン 大海の覇者』や『大航海大戦: オーシャン& エンパイア』といったスマートフォン向けの戦略MMOを数多く手がけてきた実績があります。この豊富なノウハウが、本作の戦略システムにも活かされており、拠点の拡張やディフェンスバトルのシステムは、ゾンビモノの戦略SLGとしてオーソドックスな作りになっています。
ゲームを進めてサーバー内のフィールドが開放されると、他のプレイヤーたちが結成した生存者グループと協力するか、あるいは対立するかの判断が迫られます。他プレイヤーとの同盟機能も搭載されており、協力して強大な敵に立ち向かうなど、オンラインゲームならではの楽しみ方も可能です。
3. 本作最大の魅力:シリーズの世界観とキャラクター共演
『バイオハザード サバイバルユニット』は、単なる戦略シミュレーションに終わらず、シリーズのファンを唸らせるような世界観の作り込みと、キャラクターの魅力を最大限に引き出しています。

A. 夢のドリームチーム編成(歴代キャラクターの役割)
本作の最大の魅力の一つは、シリーズの垣根を超えた歴代キャラクターたちをユニットとして編成できる点です。レオン・S・ケネディ、クレア・レッドフィールド、ジル・バレンタインといったお馴染みの英雄たちが登場します。
原作では時代や舞台が異なり、共闘する機会がなかったキャラクターたちが、同じ拠点で肩を並べて戦うという「夢の共闘」が実現し、ファンにとってはまさに圧巻の体験です。キャラクターは、それぞれ「戦闘特化」や「サポート寄り」など異なる役割を持っており、プレイヤーの戦略に合わせて自由に組み合わせ、絶望的な状況を切り抜ける自分だけの“ドリームチーム”を結成できます。
例えば、ガチャ最高レアである「クレア・レッドフィールド」はログイン2日目で確実に入手可能であり、また、戦略バトルでは編成した主要キャラ(レオンやジルなど)を使い、ゾンビを迎え撃ちます。バトルはオート進行ですが、キャラ固有のアクティブスキルを要所で発動できるため、事前の育成や編成が非常に重要になります。
B. ストラテジーを彩る「バイオらしさ」の再現
本作は、原作ネタやオマージュが随所に散りばめられており、シリーズを知らなくても作品のエッセンスを楽しむことができるように設計されています。
1. 原作再現のアクションアドベンチャーモード(探索パート)
本作のシステム的な特徴として、メインとなる拠点運営とは別に、原作を再現したアクションアドベンチャーモード(探索パート)が収録されている点が挙げられます。
メインストーリーは、このアクションアドベンチャースタイルで進められます。プレイヤーは、キャラを操作して薄暗い施設内を探索し、ギミックを作動させてクリア条件を満たします。施設内ではゾンビが出現し、プレイヤーは内部で拾った銃などを駆使して敵を倒すことができます。突然現れるゾンビの恐怖に怯えながら進む体験は、グラフィックの質感と相まって、懐古的な「バイオハザード」を想起させるような作り込みであり、プレイヤーを世界観に熱中させてくれます。
2. 世界観に溶け込む謎解き要素
拠点づくりだけでなく、広大なワールドマップでの探索や、ストーリー進行に伴うシリーズおなじみの“謎解き”要素、そして意味深なメモの登場も、本作の魅力の一つです。
フィールドの探索では、資源ポイントを確保したり、クリーチャーの巣を討伐したり、放棄された施設を調査して報酬を得たりと、遊びの幅が広がります。特に、探索パートでの謎解き要素は、ストラテジーゲームの中に組み込まれながらも世界観にピッタリとマッチしており、「ただの拠点育成ゲー」に留まらない世界観の広がりを感じさせます。謎解きの難易度は比較的低めに設定されているため、原作を知らない人やパズル要素が苦手な人でも問題なく、ハラハラする探索を楽しめます。
4. 序盤を生き抜くためのガイド(初心者向け攻略)
ゲームを始めてからスムーズに生存圏を確保するために、序盤の基本的な進め方を3つのステップで紹介します。

A. STEP1:邸宅を拠点とした基礎学習
ゲーム開始直後、プレイヤーは崩壊した都市の一角にある「邸宅」を拠点とします。まずは、画面のガイドミッションを参照しながら、壊れた施設の修復や、発電所、倉庫といったライフラインとなる基本設備を整えていきましょう。
序盤はチュートリアル形式で丁寧に進行するため、ストラテジーゲーム初心者でも安心です。画面の案内に従って操作するだけで、「建設」「強化」「資源確保」という基本的なサイクルを自然に身につけることができます。最初は難しく考えず、ガイドに忠実に進めていくことが、生存の基礎を固める上で最も重要です。
B. STEP2:襲撃への迅速な防衛準備(資源と時間の天秤)
拠点の機能が回復し始めると、間もなく「感染者の襲撃」という緊急事態に直面します。画面にカウントダウンが表示されたら、防衛準備の合図です。
限られたリソースと時間の中で、防御施設のレベルアップや、最適な位置への部隊の配置を行う必要があります。どこから敵が来るのか、どの壁を厚くするべきかといった戦略的な判断が求められます。特に、序盤の感染者襲撃の猶予は短めであると評価されているため、建築の加速アイテムをケチらずに使い、クエスト通りにポンポンと建築を進めていくことが、襲撃を乗り切るための重要なコツとなります。襲撃を撃退できた時の安堵感と達成感は、次のステップへ進む大きなモチベーションとなるでしょう。
C. STEP3:ワールドマップでの活動とコミュニティ
拠点の安全がある程度確保できたら、ワールドマップ(外の世界)へと活動範囲を広げましょう。ワールドマップには、拠点内では手に入らない貴重な資材ポイントや、討伐対象のクリーチャーの巣、放棄された施設などが点在しています。部隊を派遣して資材を回収したり、敵を討伐して報酬を得たりと、探索要素を充実させていくことが、さらなる拠点強化につながります。
また、マップ上には他のプレイヤーの拠点も存在します。近隣のプレイヤーと交流したり、同盟に加入したりすることで、ゲームの面白さは一気に加速します。一人では困難な状況も、仲間と協力して強大な敵に立ち向かうことで乗り越えることが可能となり、オンラインゲームらしい「サーバーで本当に生きている」という感覚を味わえます。
5. 評価を分ける要素とオンライン環境
本作は非常に完成度の高い戦略SLGですが、プレイヤーの嗜好によって評価が分かれる可能性がある要素も存在します。

A. 挑戦的な難易度設定(感染者の襲撃タイミング)
前述の序盤攻略でも触れた通り、チュートリアル中の感染者襲撃の猶予が比較的短い点が挙げられます。クエスト通りに進めていけばクリアできる難易度ではありますが、類似作品と比べて「まったり」としたスタートダッシュが難しく、緊張感を強いられる傾向があります。ストラテジーゲームに不慣れな初心者にとっては、このペースの速さが挑戦的に感じられるかもしれませんが、加速アイテムを適宜使用することで対処は可能です。この緊張感のある設定は、世界観的なサバイバル感を高める効果も生んでいます。
B. 海外勢との共存が生むサーバー環境
『バイオハザード サバイバルユニット』のサーバーは、海外勢と同じサーバーとなっているため、チャットが海外の言語で埋め尽くされがちなオンライン環境となっています。
国産ストラテジーゲームでは、協力や平和的な解決が中心となる作品が多いのに対し、海外勢も交じるサーバーでは、国同士で同盟が分かれ、争いが生じやすい傾向があります。そのため、じっくりとソロや平和的な交流で楽しみたいプレイヤーには、国産サーバーがある作品の方が向いているかもしれません。しかし、日本VS海外でバチバチとやり合いたい、PvP(対人戦)や勢力争いに熱中したいプレイヤーにとっては、非常に刺激的で適した環境であると言えます。ゲームを突き詰めた際には、PvPがメインコンテンツとなり、戦力や課金額がものを言うようになる側面も無視できません。
C. じっくり腰を据えて遊ぶゲームデザイン
本作は、拠点の建設や研究の優先度を考えながら強化を進め、同盟やフィールド探索を通じて勢力を広げていくという、じっくりと腰を据えて遊ぶタイプのゲームデザインを採用しています。
これは「終末世界シムシティ+オンライン戦略ゲーム」といった仕上がりであり、建設や研究には必ず待ち時間が発生します。そのため、サクッと短時間でアクションを楽しみたい方よりは、毎日コツコツと自分の要塞を築き上げたい方や、バイオハザードの世界観に浸りながらじっくりと戦略を練りたいプレイヤーに、特におすすめできるタイトルです。
6. おすすめの課金要素(コスパ最強の初回チャージ)
『バイオハザード サバイバルユニット』は基本プレイ無料であり、無課金でもコツコツと楽しめますが、もし序盤の進行をスムーズにしたいのであれば、「初回チャージギフト」が最もコストパフォーマンスが高い選択肢として推奨されます。

初めて課金(チャージ)を行う際、金額に関わらず、レジェンドランクの「ジル・バレンタイン」が即座に仲間になります。ジルはストーリー攻略や拠点防衛で頼れる即戦力となり、主力メンバーとして活躍します。
さらに、初回チャージギフトには、育成用の経験値アイテムや装備などもセットで入手可能です。翌日以降も追加の素材や別キャラクターの欠片がもらえる特典が付いているため、たった一度の少額課金で「主力メンバー」と「育成リソース」を一気に確保でき、序盤の山場を非常にスムーズに乗り越えることができます。
7. 総合評価:どのようなプレイヤーにおすすめか
『バイオハザード サバイバルユニット』は、崩壊した都市でのサバイバル要素、奥深いリソース管理、そしてシリーズ特有の恐怖と探索要素が、戦略シミュレーションゲームとして見事に融合した作品です。

歴代キャラクターの共演というファンサービスはもちろん、資源管理や防衛戦略における判断の連続は、ゲームとして非常に高いやりごたえを提供します。バイオならではの緊張感とホラー演出が加わることで、「定番のありきたりゲー」といった懸念を払拭し、独自の体験をプレイヤーにもたらします。
【総評】
本作は、建設や研究の優先度を考慮しながら拠点を強化し、フィールド探索や同盟を通じて勢力を拡大していくという、骨太な戦略SLGとしての魅力を最大限に発揮しています。
サクッと短時間でプレイしたい方には向きませんが、毎日じっくりと時間をかけて自分の要塞を築き上げたいプレイヤー、そしてバイオハザードという極限の世界で、戦略によって生き残る達成感を味わいたいプレイヤーに、特におすすめできるタイトルです。シリーズファンで、コツコツ育成するストラテジーも好きならば、一度は触れてみる価値のある作品であると言えるでしょう。
このゲーム体験は、まるで荒れ果てた土地に「最後の砦」を築く城主のようです。襲い来る感染者という自然災害と、資源の枯渇という内なる危機に常に対処しつつ、レオンやジルといった頼れる英雄たちを指揮して、生存圏をわずかずつ広げていく。その一歩一歩の積み重ねが、絶望的な世界における確かな希望となるのです。




















