【キングダム 覇道】評価・レビュー:最大30vs30!中華統一を目指す本格派戦略シミュレーション
漫画とアニメファンも納得できる大迫力の戦略シミュレーションゲーム『キングダム 覇道』は、原作の世界観を忠実に再現しつつ、戦略性の高い大規模リアルタイムバトルが楽しめる作品です。
プレイヤーは一人の将軍となり、TVアニメ「キングダム」に登場する個性豊かな武将たちを部隊に加え、広大な戦場を攻略していきます。特に、仲間との連携が鍵となる大規模リアルタイム戦闘・軍団戦が本作の最大の魅力であり、戦略シミュレーションゲーム(戦略SLG)のファン、そして『キングダム』ファンにとって必見の内容となっています。

1. 『キングダム 覇道』の概要と特徴
『キングダム 覇道』は、古代中国の戦国七雄の争乱を描いた人気コミック・アニメ「キングダム」を題材とした新作スマホゲームです。

本作は、TVアニメ「キングダム」の世界観を再現した戦略シミュレーションゲームであり、プレイヤーは軍師として、原作の主人公である「信」の少年時代から始まる物語を追体験しながら、各地で起こる戦乱に身を投じます。
ゲームの基本的な流れは、「内政マップで軍備を強化」し、「全プレイヤーが入り混じるオープンワールドを攻略」するというサイクルを繰り返すものです。内政施設においては、一般的な城レベルではなく、「心得」と呼ばれるステータスを強化していくシステムが特徴的です。本格的なストラテジーゲームと比較するとカジュアルにまとめられているため、ライト層のプレイヤーでも遊びやすい設計となっています。
本作は基本プレイ無料で提供されており、開発元はBandai Namco Entertainment Inc.です。
2. 最大の魅力:戦略性の高い大規模リアルタイム軍勢バトル
『キングダム 覇道』の核となるのが、大規模リアルタイム戦闘・軍団戦です。

2-1. 30人対30人の迫力ある合戦
本作の戦闘は、最大30人対30人という圧倒的な迫力を持つ軍団戦として展開されます。この大規模な合戦において、仲間(軍団メンバー)との連携や、いかに戦略的な進軍ルートを選択するかが、戦いの勝敗を大きく左右します。
プレイヤーは自分の部隊を指揮し、刻一刻と変化する戦場で砦や城を巡る攻防を繰り広げます。この合戦の迫力は「手に汗握る興奮がある」と評されており、仲間と声を合わせて城を攻め落とす瞬間は、本作ならではの醍醐味です。
2-2. リアルタイムで変化する戦況と戦略要素
戦闘システムは、オート進行の軍勢バトルが多いスマホゲームとは一線を画しており、プレイヤーは戦場の各地で細かく進軍ルートを指示していく本格的な戦略バトルを楽しめます。
戦場には豊富な戦略要素が盛り込まれており、毎回違った展開がプレイヤーを待ち受けます。具体的な戦略要素としては、「地形の利用」や、火計などによる「炎による戦況変化」、そして部隊の力を最大限に引き出す「突撃のタイミング」などがあります。
さらに、巨大な攻城兵器である「井闌車(せいらんしゃ)」を活かした攻防や、戦場を焼き尽くす「勝機の炎」といった計略も利用可能です。このように、リアルタイムで変化する戦況を見極め、的確に部隊を動かすことが勝利への鍵となり、一瞬の判断で戦況が変わるスリリングな体験を味わえます。
3. 原作ファン納得のキャラクターと世界観の再現
本作は、戦略シミュレーションとしての面白さだけでなく、原作漫画・アニメ『キングダム』の世界観を忠実に再現している点も大きな魅力です。

3-1. 人気キャラクターの参戦と没入感
信、嬴政、王騎、羌瘣、楊端和など、『キングダム』でおなじみの人気キャラクターが多数登場します。それぞれの武将が持つ必殺技や個性は戦闘シーンに反映されており、ファンとしては自分の部隊に原作キャラクターを編成して共に戦えるのは「最高」の喜びだとされています。
ストーリーパートも原作の展開を踏まえて進行するため、「あの名場面を自分の手で体験できる」という高い没入感を提供します。また、広大な中国大陸が3Dマップで表現されており、プレイヤーはまるで原作の合戦に入り込んだような臨場感を味わうことができます。
ただし、TVアニメ作品を題材にしているにもかかわらず、全体的に「お祭りキャラゲー感」は薄く、豪華なアニメチック演出やキャラクター同士の会話で盛り上がるタイプのストーリー性は低いという側面もあります。原作が好きで始める人にとっては、少し物足りなさを感じるかもしれませんが、むしろ原作を知らなくても、一風変わった戦略ゲームを求める人には適しています。
4. 初心者も安心の快適性と補助機能
複雑になりがちな戦略シミュレーションゲームのハードルを下げるため、『キングダム 覇道』では遊びやすさや分かりやすさを重視した快適性の向上に力が入れられています。

4-1. UI改善とスムーズな協力プレイ
本作はクローズドβテストで得られた意見をもとに、UI(ユーザーインターフェース)の改善や操作ガイド機能が導入されています。これにより、戦略ゲーム初心者でも迷うことなくスムーズにゲームを進められるよう工夫がされています。
また、仲間との協力プレイを円滑にするための補助機能も充実しています。マップからの直感的な操作が可能であるほか、軍団チャットを通じたヘルプ機能や、スタンプを使った簡易コミュニケーションなども実装されており、協力プレイがスムーズに行えるシステムになっています。これらの補助機能がしっかりしているため、安心してプレイを開始できる点も評価されています。
5. ゲーム序盤の進め方と部隊育成
ゲームを始めたばかりのプレイヤー向けに、丁寧なチュートリアルと導入戦役が用意されています。

5-1. チュートリアルと導入戦役
ゲーム開始直後、プレイヤーは信や王騎といったおなじみのキャラクターに導かれながら、ゲームの基本を習得していきます。具体的には、部隊の編成方法、進軍の仕組み、戦場での基本操作を学んでいきます。
序盤の戦役は原作の名場面をなぞる形で進行するため、物語の世界観を楽しみながら、自然な形でゲームシステムを理解できる構成になっています。戦闘システム自体も複雑すぎず設計されており、戦略ゲーム初心者でも安心して楽しめるよう配慮されています。原作キャラクターがチュートリアルでナビゲートしてくれるため、テンションが上がるポイントでもあります。
5-2. 部隊強化と編成戦略の重要性
チュートリアルを進めると、序盤で頼もしい仲間を入手できる無限引き直しガチャが登場します。プレイヤーはこのガチャを利用して、自分の理想とする部隊づくりの第一歩として、好きな武将を手に入れることができます。
その後は、獲得した武将を育成し、部隊の編成を整えていくことが重要となります。武将ごとに兵種やスキル特性が異なっており、どの武将を組み合わせるかによって、戦局は大きく変化します。序盤の段階から、攻撃重視の布陣にするか、防御を固めて持久戦を狙うかなど、プレイヤーの戦略に応じた編成の工夫が求められます。
チュートリアルを終えると、実際の戦闘や砦攻略が始まり、比較的小規模な戦いからスタートします。これらの攻防戦を通じて、進軍ルートの確保や、仲間との連携の大切さを学んでいきます。戦闘では、単に武将の数をぶつけるだけでは勝てず、「布陣の配置」「部隊の役割分担」「攻城のタイミング」が勝敗の鍵を握ります。
6. 武将入手の仕組み:ガチャと交流機能
武将の入手方法や育成のシステムも、本作の重要な要素です。
6-1. ガチャと900天賦武将
『キングダム 覇道』のガチャにおけるSSR(最高レアリティ)確率は3.5%です。SSR武将の中でも、その性能によって800天賦、850天賦、900天賦の3種類に分かれており、900天賦のキャラクターが大当たりとなります。
ガチャには最低保証があり、50回でSSRが確定、100回で900天賦のSSRが確定で排出されます。ただし、レビュアーコメントには、SSRキャラのトータル排出率が1%であり、特に天賦900のキャラの排出率がさらに絞られていて入手しづらいという指摘もあります。
6-2. リセマラの可能性と交流機能
戦略SLGやMMORPGではリセマラが難しいゲームが多い中、本作はある程度の努力が必要ではあるものの、リセマラが可能です。1周あたり約5分程度で、サーバー変更またはアプリの再インストールによって行うことができます。
リセマラを行う時点で、プレイヤーは「SSR確定チケット2枚」「大物登用チケット14枚」「覇道石約2100個」といった豪華な配布を受け取ることができます。リセマラで強力な900天賦武将や、大人気の王騎将軍を入手してゲームを始めることが可能です。お気に入りの武将を持って始めることで、プレイのモチベーション向上に繋がります。
また、ガチャ以外にも「交流機能」を通じて武将を入手するチャンスがあります。これは交流ポイントを使って友好度を増やしていくシステムで、毎日コツコツと遊んでいれば、運次第で900天賦のSSR武将も手に入る可能性があります。ただし、お気に入りの武将を交流で獲得するには、おおよそ50回程度の交流が必要になるという情報もあります。
7. 攻略の鍵:軍団プレイの必須性とシーズン制度
『キングダム 覇道』は、序盤から軍団(ギルドのようなもの)メンバーとの協力が極めて重要となる、マルチプレイ重視の戦略SLGです。
7-1. 最序盤から要求される共闘
一般的な戦略SLGが育成に重点を置いたスロースタートであるのに対し、本作はプレイ初日からサクッと軍団を組んでマルチプレイに挑めるのが特徴です。
しかし、その協力プレイの重要性は非常に高く、最序盤から軍団への加入が必須となります。プレイヤーは「壁の陣」と呼ばれる強敵を相手に、軍団メンバーとの共闘バトルを求められるため、初手から一定以上のアクティブメンバーがいないと進行が困難になる(詰む仕様)とされています。
そのため、「好きなキャラクターでゆっくりプレイしたい」といった、ソロプレイや過疎軍団で遊びたいプレイヤーには不向きなゲーム設計となっています。最初から仲間と協力して大規模な戦いに挑むのが好きなプレイヤーには、非常に熱中できる要素です。
7-2. 中華統一を目指す独自のワールドマップ
オープンワールドマップでは、軍団全員で協力しながら、画面左側から右端に位置する滎陽(ケイヨウ)の攻略を目指していきます。多くの戦略ゲームがマップ中央を目指す形式である中、右側へ移動していくスタイルは目新しさが感じられます。
移動ルート上ではライバルの軍団と鉢合わせることもあり、プレイヤー間のバトルが勃発します。ワールドマップはトーナメントのような構造になっており、軍団同士の競争と対立が繰り広げられます。
ゲーム自体は短期間のシーズン制度を採用しており、これにより展開がダレることなく、常に戦略バトルを体験できる点が評価されています。
8. おすすめの課金要素
『キングダム 覇道』にはいくつかの課金要素がありますが、コストパフォーマンスの高いものや原作ファン向けのパックが推奨されています。
8-1. コスパ最強の「30日間パス」
まず、最もおすすめされる課金要素は「30日間パス」です。
このパスは価格が1,000円と安価でありながら、購入するとすぐに有償覇道石450個が入手できるうえ、さらに毎日ログインすることで無償覇道石100個を追加で獲得できます。30日間継続してログインした場合、合計で3,000個以上の石が手に入り、非常にコストパフォーマンスが高い内容となっています。毎日プレイする予定があるプレイヤーであれば、最も効率的な課金方法として推奨されています。
8-2. 原作ファン注目の「初陣パック・大」
次に、原作ファンに強くおすすめしたいのが「初陣パック・大」(9,800円)です。
このパックは、チュートリアルクリア後に期間限定で販売されるもので、購入することでSSR王騎が確定で入手可能となります。さらに、有償覇道石や育成素材もセットになっており、序盤から部隊を強力に強化できるお得な内容です。『キングダム』ファンであれば、王騎将軍をすぐに仲間に加えられる点は見逃せないポイントです。
9. 総合評価
『キングダム 覇道』は、遊んでいて「楽しい!」と感じさせてくれる、ワクワクする面白さが詰まった戦略シミュレーションゲームです。

9-1. 戦略性と爽快感の融合
最大30vs30の迫力ある合戦は爽快感があり、戦略性と『キングダム』の熱い世界観が見事に融合しています。戦略シミュレーションとして、本作独自の協力要素や戦略性がある点が、特に高く評価されています。
一方で、本作は最序盤からマルチプレイでの連携が必須であり、ソロで進めることができない点や、アニメ作品のような「キャラゲー感」が薄い点は、プレイヤーによって評価が分かれる可能性があります。
しかし、「よくある戦略ゲーはちょっと飽きたな」と感じているプレイヤーや、仲間と協力して城を攻めたい人にとっては、フィールドマップが中央ではなく右側を目指すという一風変わったシステムも含め、新鮮で面白い作品となるでしょう。
