瞬時の戦略と相性で戦況を覆す!オンライン対戦アクションRPG「勇者の大戦争」徹底レビュー
1. 勇者の大戦争とは:ゲーム概要と基本情報
「勇者の大戦争」は、2023年2月3日に配信が開始されたインディーゲームであり、最大99万のドット絵で描かれた勇者たちが激突する戦略アクションゲームです。本作はオンライン対戦アクションRPG(ロールプレイングゲーム)として分類されており、ジャンルはアクション、アクションRPG、シミュレーションゲーム、および対戦プレイゲーム(PVP)を兼ね備えています。開発者はyonne氏です。
本作の大きな特徴は、最大99万対99万という数十万単位の勇者たちが一同に集い激戦を繰り広げる、壮大なスケールのオンラインPVPバトルである点です。それでいて、1回のプレイ時間は短時間で完了し、お気楽かつテンポ感が良い設計となっています。
「勇者の大戦争」の価格は基本プレイ無料(アイテム課金あり)で提供されており、無料で十分に遊べる点も評価されています。対応端末はiOS(11.0以上)とAndroid(5.1以上)です。


2. シンプルで熱い戦略アクションバトル:二段構成の戦闘システム
「勇者の大戦争」のバトルは、大きく分けて二段構成で進行します。

1.前半パート:勇者の増強と計算パート
戦闘の最初のパートは、勇者を強化・増強していくアクションパートまたは計算パートです。このパートはランゲームのような形式で進み、制限時間は60秒間です。
プレイヤーはスワイプ操作で勇者たちの走るルートを選び、迫り来るアイコン(建物)を通過します。アイコンには「+50」や「×1.2」といった数値が振られており、選んだアイコンの数値に対応して自軍の勇者が増減・増強されていきます。このパートでは、どのルートを通るか、どの能力を選ぶかについて、瞬時のひらめきと判断力、そして効率よく軍拡を進めるための瞬間的な計算力が求められます。
チュートリアルは「ペラ1枚のチュートリアル」が登場するほど非常に簡易的で、最初は戸惑うかもしれませんが、「やればわかる」シンプルなルールです。簡単にまとめると、「剣士」「弓」「魔法使い」の3タイプの勇者をアイテムで増やして戦うゲームです。配置アイテムは勇者を増やす強化能力だけでなく、赤文字で示されるダウン能力(マイナスのマス)も存在し、これをどう処理するかがプレイヤーの腕の見せ所となります。
数の強化には、「弓兵XX人増やす」といった単体強化や、「全兵士XX人増やす」といった全体強化の選択肢があります。一見、全体の数を増やした方がお得に見えますが、プレイヤーの装備や相手の状況次第では、単体強化が強い場合もあります。また、1.1倍などの倍率強化も登場しますが、時と場合によっては通常の強化の方が良い選択となることもあり、プレイヤーは全力ダッシュする勇者を瞬時にコントロールする力を求められます。
2.後半パート:中間発表とオートバトル
勇者の増強パートの途中で、自分と対戦相手の兵士数が発表される中間結果が表示されます。プレイヤーはこの中間結果の数値を参考に、「足りない戦力を補強するのか」「尖った編成にして押し通すのか」といった戦略を立て直すことができます。中間発表を受けて相手も戦略を変える可能性があり、読み合いが生じるため、戦略は多様になります。
中間発表後も同じように勇者の能力を増やしていきますが、この後半戦は伸ばせる数も勇者のスピードも大幅アップするため、瞬きもできないほどの速さの中で判断が求められます。
お互いに勇者を育て終わった後は、完全放置ゲーであるオートバトルに移行します。ここまで集めた兵士たちが自動で戦い、敵軍を全滅させれば勝利となります。ワラワラと大軍同士が戦うドット絵の演出が楽しいと評価されています。プレイヤーは戦闘中、スタンプ機能を利用して対戦相手とワイワイ祈りながら戦うことができますが、大差がついていても煽ってはいけないと注意されています。
3. 兵種と属性相性:数を超えた戦略性
「勇者の大戦争」のバトルは、単純な兵士の総数勝負ではありません。「剣士」「弓兵」「魔法使い」の3種類の勇者(キャラクター)には、それぞれ相性があり、三すくみの関係になっています。

この属性相性があることにより、総兵士数が敵軍を下回っていたとしても、相性をうまく突くことで戦力差を覆すことが可能となります。
例えば、剣士は弓に対して1.2倍のダメージを与えられるといった相性の優劣が存在します。中間発表で相手の編成を見て、後半戦でどの兵種を伸ばすかを考えるのが非常に重要になります。
戦い方のセオリーとして、数字に囚われず「戦士≧弓使い>>>>>魔法使い」のような優劣をつけることが推奨されており、例えば魔法使いを完全に捨てるなど、1キャラクターを特化・または捨てるという割り切った立ち回りがしやすいとされています。
敵兵との相性を見極め、自軍を効率的に増強することが、オンラインバトルで勝利するための鍵となります。
4. 育成と装備カスタマイズ:個性を出すやり込み要素
本作には、RPG的な育成要素があり、長く遊べる要素として機能しています。

1.装備システム
勇者の大戦争の戦略性をさらに高める要素として装備育成機能があります。プレイヤーはオンライン対戦で獲得できるゲーム内のバトル通貨を利用して、兵士に武器を装備させたり、攻撃力を上げたりといった育成が可能です。
装備は最大8個まで装着でき、「剣士」「魔法使い」「弓」のどれをどのくらい強化するかについて、プレイヤーそれぞれのこだわりを出すことができます。レア度が上がると能力も増える仕組みです。
装備による強化は、バトル開始時点での兵士の数を増やしたり、相性に応じた攻撃力・防御力を強化したりと多彩です。底上げした兵士を中心に軍を整えるなど、育成要素はバトルの戦略に大きな影響を与えます。
2.特化とバランスの選択
装備の選択において、基本的にどの職業が強いといった優劣はありません。例えば、1キャラクターを重点的に強化する場合、倍率アップオプションなどを駆使してゴリ押ししやすくなります。また、高速で判断が求められるアクションパートにおいても、1キャラだけを見ていればいいので楽になるという利点もあります。
しかし、相手が弱点属性の装備を積んでいる場合、一気に不利になるリスクも伴います。そのため、「浪漫の1キャラを求めるか、バランスを求めるか」はプレイヤー次第であり、カスタマイズの個性を出せる部分です。
装備は宝箱から入手できますが、これは一般的にガチャと呼ばれています。本作は課金ゲーではなく、ゲーム内のバトル通貨で回せるため、やればやるほど強くなれる仕組みです。ただし、課金要素として広告を見なくても報酬が2倍になるオプション(価格480円)があり、これは開発支援として検討する価値があるかもしれません。
3.ガチャとマッチング調整
装備ガチャの排出率は中々に渋いと感じるレビューもあります。一度のガチャでいくつの装備が手に入るのかもランダムです。また、序盤のガチャでは同じアイテムがかぶりがちであるという意見もあります。ただし、重複した武器は自動的に合成されて微妙に性能がアップする点は好印象とされています。
装備による格差が生じる可能性についても言及されていますが、ある程度マッチングレートで調整されているため、試合の能力強化で立ち向かえる範囲であり、初心者がトップランカーと当たるようにはなっていないようです。このため、装備の性能差だけで負けることは基本的にないという印象です。
5. オンライン対戦とテンポ感
「勇者の大戦争」は、他プレイヤーとオンライン対戦をするカジュアルアクションゲームです。オンライン対戦をサクッと手軽に楽しみたい方におすすめです。

1.サクサクのマッチング
本作は、マッチングが良好である点が魅力の一つとして挙げられています。個人制作ゲームではマッチングに時間がかかることもありますが、本作はユーザーも多いのか、数十秒でサクッと決まります。
1回のバトルが60秒+αでサクッと完了するため、ちょっとしたスキマ時間でも頭を使いながら遊びたい方にうってつけの作品です。
2.複数のゲームモード
オンライン対戦モードだけでなく、遊びの幅が広いことも魅力です。
- 99万の軍勢への挑戦モード:99万人の兵士を率いるNPC相手にどこまで善戦できるかを競うエンドコンテンツです。いくら減らせたかのランキングも存在します。
- フレンドとの対戦モード:知り合いと戦う楽しさも提供されます。
おおまかなルールは変わらないため、気分転換に遊ぶことができます。。
6. 総合プレイレビューと評価
「勇者の大戦争」は、瞬間の判断で勇者の軍勢を増やして戦うアクションゲームであり、どこかにあったようで意外と見なかった対戦ゲームとして評価できます。

1.プラスポイント
- シンプルな戦略対戦ゲームであること。計算パートとオートバトルのテンポが良い。
- サクサクマッチングが出来て、手軽に遊べる。
- 瞬発力と戦略が試されるユニークな作品である点。運と戦術次第で強い相手にも逆転できるバランスが評価されています。
- こだわりの装備編成により、個性を出せる。装備アイテムで部隊を強化できるRPG的な育成要素があり、深く熱い。
- 無料でも十分に遊べる課金圧の薄さ。
- 複数のモードで楽しめる。
- ドット絵で描かれるグラフィックが良く、ワラワラキャラが戦っている演出が楽しい。
2.マイナスポイント
- チュートリアルが簡単すぎる/簡易的すぎる。内容自体は一度遊べば理解できる簡単なものだが、開始直後の説明不足により最初は困惑する可能性がある。
- 装備ガチャが少し渋い。激レア装備の排出率が低いとされています。
- 序盤のガチャは同じアイテムがかぶりがちである。
3.総合評価
総評として、やってみるとハマる、おすすめのゲームであると言えます。数だけでなく相性も重要で、プレイヤーの戦略が試されるオリジナリティ溢れる作品であり、サクッと楽しめる対戦ゲームを探している方にはぜひ遊んでみてほしいタイトルです。
