ソニック流パーティーロワイヤル『Sonic Rumble』徹底レビュー:32人が競い合うハチャメチャ大乱闘の魅力を探る
1. ゲーム概要と基本情報
『Sonic Rumble(ソニックランブル)』は、株式会社セガ(SEGA CORPORATION)が贈る、マルチプレイ対応のパーティロワイヤルゲームです。世界的な人気キャラクターである「ソニック・ザ・ヘッジ・ホッグ」シリーズの新作であり、シリーズ初のパーティゲームとして登場しました。
本作は、人気パーティゲーム『Fall Guys』などをモチーフにしたゲームシステムを採用しており、最大32人ものプレイヤーが一斉に参加する対戦モードが最大の特色です。プレイヤーはアバターキャラを選択し、31人のライバルたちが待ち受けるカオスな環境で、3つの競技を勝ち抜き、最終的なスコア1位の称号を目指します。
本作は、モバイル(iOS/Android)向けに2025年11月5日に配信が開始されました。また、PC/モバイル間のクロスプラットフォームにも対応しており、場所や時間を問わず友人とのプレイがしやすい点も大きなポイントです。


2. 『Sonic Rumble』の魅力:シリーズの伝統とカジュアル性の融合
2.1. ソニックならではのスピード感とカオスな大乱闘
『Sonic Rumble』の最も際立った魅力は、ソニックシリーズが持つ「スピード」と、最大32人が入り乱れる「カオス」が見事に融合したプレイ体験にあります。
スタートの合図とともに32体のキャラクターが一斉にダッシュする光景は圧巻の一言です。ステージは回転する足場や落下ギミック、加速パネルなどギミックが満載されており、プレイヤーは常に走り抜けながら状況判断を迫られる緊張感があります。
競技ごとのギミックには『ソニック』シリーズの世界観がうまく活かされており、特に強化アイテムを獲得すると、シリーズ特有の爆速移動が可能になります。操作面においても、スライドやダッシュを繰り返しながらコースを駆け抜ける感覚は気持ちよく、ソニック特有のスピード感がしっかりと再現されています。テンポの良い展開と爽快なアクションは、一度味わうと病みつきになる魅力を持っています。

2.2. 誰もが楽しめるカジュアルな操作とゲームサイクル
本作は「誰もが簡単に楽しめるカジュアルパーティゲーム」として設計されています。操作は「移動」「ジャンプ」「アクションボタン(障害物攻撃など)」「アタックボタン(ライバル攻撃)」だけで遊べるシンプルな構成であり、難しい操作は不要です。
また、忙しい日常の中でも気軽に遊べるよう、1試合あたりのプレイ時間が比較的短く設定されています。1ラウンドごとにゲーム形式が変わるため、「ちょっとだけ遊びたい」というニーズにも応える気軽さを備えています。仕事の合間や休憩時間など、スキマ時間に「1試合だけ」と気軽に飛び込める手軽さが、本作を最高のパーティーゲームたらしめています。
2.3. 昔のファンにも刺さるキャラクターと世界観演出
本作の舞台は、ソニックシリーズらしいスピードとポップな世界観を強調した「エッグトイランド(Dr.エッグマンが操るおもちゃの国)」という設定です。登場キャラクターは「ソニック」「テイルス」「エミー」「シャドウ」「Dr.エッグマン」など、シリーズお馴染みの人気キャラクターたちで構成されています。
これらのキャラクターは、可愛らしい「トイフィギュア風」にアレンジされて登場します。特に、無料配布で使える人気キャラクターが多いこと、そしてキャラクターの装備品にはチャオなども登場することから、最新のソニック事情を知らない、昔の世代(ゲームキューブあたりの時代)で遊んだことがあるプレイヤーにも強くアピールできる作品となっています。
2.4. 遊びごたえのある豊富なカスタマイズ要素
『Sonic Rumble』では、自分だけのランブル体験を演出するための多彩なカスタマイズ要素が用意されています。
プレイヤーは、ホーム画面右下のソニックアイコンから、以下の要素を自由にカスタマイズできます。
- スキン(衣装)
- エモート(アクション)
- バディ(相棒キャラ。チャオなども登場)
- スタンプ
- ダッシュエフェクト
- 勝利モーション
特別なデザインのスキン(衣装)などを使って、自分だけのオリジナルスタイルを創り上げ、ライバルたちに差をつけることができます。この遊びごたえのある見た目の自由度が、プレイヤーのテンションを大いに高めてくれます。
3. 勝敗を分けるゲームシステムとサバイバル形式
3.1. 3ラウンド制の脱落形式
本作の対戦モードは、32人の参加者から最終的な勝者1人を決定する、サバイバル形式で進行します。ゲームは「3つのミニゲームをプレイし、一番リングを持っているプレイヤーが勝利する」という流れです。
競技は全部で3つあり、競技が終わるごとにスコアが算出され、下位のプレイヤーはどんどん脱落していくシステムです。
- 最初の競技では32人から16人へ。
- 2つ目の競技では16人から8人へと人数が絞られていきます。
最終的な勝敗は、全ての競技を通じて獲得したリング総数によって決まります。上位通過したプレイヤーには追加でリングが獲得できるため、どの競技も1位通過を目指すことが大切です。

3.2. 各ラウンドの目標と多彩なルール
1試合は3つのラウンドで構成されており、それぞれ異なるモードで進行します。モードが変わるたびに求められる立ち回りが変化するため、各モードの目標を把握することが勝利のカギとなります。
- 第1ラウンド:Run(走る) 最大32人が一斉にスタートし、先にゴールにたどり着くこと、またはリングを多く集めることが目標となります。スピードとコース取りが主に試され、ここで上位半数(約16人)が進出します。
- 第2ラウンド:Survival, Hunt, Team(ランダム) 第2ラウンドでは、「Survival(生き残り)」「Hunt(お題のアイテム収集)」「Team(チーム戦)」のいずれかがランダムに選ばれます。残り16人がさらに競い、最終ラウンド進出者(約8人)が決定されます。
- 最終ラウンド:Ring Battle(リング収集バトル) 残った約8人でリングの総数を競います。最終のRing Battleでどれだけリングを集められるかが勝敗に焦点を当てる爽快感があります。
さらに、ソロプレイだけでなく、最大4人で臨むスクワッド同士での協力や対戦もゲームの醍醐味として提供されています。
3.3. リング収集とパワーアップアイテムの重要性
『Sonic Rumble』のバトルで勝ち残るには、リング集めが最も重要な鍵となります。ステージのあちこちに散らばるリングをできるだけ多く集めることが、ラウンド通過や最終順位に直結します。序盤は「ただ走る」よりも「どこでリングを拾うか」が勝負の分かれ目となり、リングを奪い合うときのドキドキ感がプレイヤーを惹きつけます。
また、ステージ内には攻撃、防御、スピードアップなどさまざまな効果を持つパワーアップアイテムが出現します。これらを活用することで、一時的に加速したり、ライバルのリングを弾き飛ばしたりすることが可能です。アイテムをタイミングよく使うことで、一気に形勢を逆転させることが可能であり、勝負を大きく左右する要素となっています。
4. プレイヤーからの評価と留意点
4.1. 魅力的な「バトル平等」システムとリセマラ不要の設計
『ソニックランブル』の最大のおすすめポイントの一つは、無課金でもバトルが平等に楽しめるパーティバトルシステムです。
キャラクターのレベルを上げるとスコアボーナスは上がりますが、これがバトルの勝敗(リングの獲得量やアイテム使用)に直接影響することはありません。つまり、育成による格差がないため、「ずっとやっている人に装備で負ける」といった事態を避けられ、誰もがいつでも自由に、平等に遊べる構造になっています。
また、課金要素は主にキャラクターの見た目(スキン)などに集中しており、キャラクター自体は一般的なガチャシステムではなく、買い切りやイベント報酬で入手できます。そのため、リセマラ(リセットマラソン)のような面倒な作業は不要で、すぐにゲームを楽しめる点も高く評価されています。

4.2. 留意すべき点と一部のプレイヤーが感じる課題
一方で、ゲームの特性上、一部の要素が人を選ぶ可能性が指摘されています。
移動速度の遅さ 他のソニックシリーズと比べると、通常時のキャラクターの移動速度が遅く、従来のソニックが持つあの疾走感がない点は残念だと感じられる可能性があります。強化アイテムを獲得すれば爆速移動が可能となりますが、通常時の移動速度には留意が必要です。
序盤の格差の付きやすさ 勝敗が3つのステージのリング総数によって決まるため、最初の2つのステージで圧倒的に差をつけられると、最終ステージだけで巻き返すのが難しい構造になっています。序盤の実力も反映されるため、運だけでなく対戦ゲームとしての側面が強い一方で、遊んでいるうちに1000リング程度差をつけられてしまうと、モチベーションが下がる可能性があると指摘されています。
ホーミングアタックの理不尽さ アタックアイテムを取得することで、ライバルに対してホーミングアタックを仕掛けられますが、やられる側からするとかなり理不尽に感じられることがあります。いつの間にか高速で突っ込んできて、一気にリングを持っていかれてしまうため、一発逆転アイテムとしての価値は認めつつも、もう少し回避しやすい仕様が望まれる、という意見もあります。
5. 課金要素と総合評価
5.1. リセマラ不要と推奨課金パック
前述の通り、本作はリセマラ不要であり、無課金でもバトルは平等に楽しめます。しかし、もし少額でもお得にスタートしたいプレイヤーに対しては、「ウェルカムパック」(160円)が最も推奨されています。
このパックは非常に手頃な価格設定でありながら、ソニックに着せ替えられる限定スキン「グラインドシューズソニック」に加え、リングやスタンプなどの「おまけ」がセットになっており、課金初心者でも安心して購入できるコストパフォーマンス最強のパックだと評価されています。

5.2. 総合的なプレイ評価
『Sonic Rumble』は、「ソニック流パーティーゲーム」という新しい挑戦を見事に実現した作品で高い満足度を示しています。
最大32人が入り乱れて走り、ぶつかり、リングを奪い合うドタバタ感はまさにお祭りそのものです。操作はシンプルで初心者でもすぐに馴染め、ソニックらしい軽快なスピード感とカラフルな世界観がプレイヤーを引き込みます。ステージごとに仕掛けが変わり、思わぬ展開が次々と起こるため、遊ぶたびに笑いと驚きが生まれます。
負けても「もう1回!」とついつい何度もプレイしてしまう中毒性のあるテンポ感と、スキンやエモートで個性を出しながら友人と競い合える楽しさが、本作の大きな魅力です。
総合まとめ
『Sonic Rumble』は、『Fall Guys』のような大人数バトロワの楽しさに、ソニックシリーズ特有の圧倒的なスピード感とギミックを融合させた、革新的なパーティゲームです。
無課金でもバトルは平等であり、育成による格差を気にせず気軽に遊べるため、「友達と集まって本気で笑えるゲームを探しているすべての人」、そして「ゲームキューブあたりでソニックを遊んでいた昔のファン」 にも自信を持っておすすめできる一作です。
このゲームのドタバタ感は、まるで遊園地のワチャワチャしたアトラクションのようです。誰が勝つか最後までわからず、理不尽なホーミングアタックで逆転されたり、加速アイテムで一気に駆け抜けたりと、常に予想外のドラマが生まれるのが醍醐味と言えるでしょう。





















